2022年4月26日 商品先物とマクロ

商品先物

昨日は株価については朝方まで売りが続いていた。ハイテクが下落していた理由として長期金利の下落が挙げられる。一時期は3%に迫っていたがここにきて落ち着いている。

来週にはFOMCが控えている。50bpの利上げが見込まれており、BSの縮小も始まる。そのため金利の上昇圧力が強くなると予想される。

一方で為替では円が買われている。昨日も買われていたため、強かった円安が落ち着いてきているか?

天然ガス

米国の先物市場においてはオプションが納会を迎えるまでに次の限月に乗り換えるのが無難だ。なぜなら対象となる先物のボラティリティが高くなったり値動きが重くなったりするからだ。

6月限の天然ガスが7ドルを超えてきている。天然ガスが強くなっている理由としては、米国の季節外れの寒さの影響だろう。NYでは8度程度と4月になるのに冬の寒さだ。いつもなら八重桜が満開の時期であるが、暖房需要の増加観測で天然ガスが上昇している。足元の需給は引き締まっていることの裏付けとみてよいのではないか。

ロシアの天然ガス供給に頼ることもできず、市場は昨年とは全く違う次元になったと考えてよいだろう。

現在は在庫水準が平年を17%程度下回っている。5月からは在庫を積み増す時期であるため、以前のような上昇はないだろうが5月を迎えるこの時期としては異例の高い水準だ。夏場の冷房需要が始まる前に十分に在庫を積み増しすることができなければ、ハリケーンなどのリスクもあるため、今年の冬には需給がさらに逼迫する可能性もでてくる。10ドル、15ドルを目指す展開も十分にありえるだろう。

ジェット燃料

米国では東海岸でジェット燃料の在庫水準が下がっている。ここでいうジェット燃料とは日本で言う灯油にあたる。暖房油は5月限で大きく上昇するのではないかと言われている。まずは現物価格が上がり、暖房油の5月限が納会を前に玉締めにあって上昇。期先の暖房油が買われるかもしれない。

暖房油が買われることになれば原油にも買いが集まるだろう。

FOMC

パウエル議長は市場と対話する人が得意な人であり、市場にサプライズや驚きをもたらす人ではない。しかしここにきて中立的な政策金利という言い回しをしている。中立的な政策金利とは2.25%~2.5%であるとされている。これについて何かしらの言及があるかもしれない。

FRB高官はこの中立的な政策金利に近づけなければならないとの意味合いの発言をすることが多くなってきている。それを織り込む形で金利は急騰していた。記者からも政策金利について質問があるだろうから、パウエル議長がどのように回答するのかに注目は集まるだろう。

どの程度のペースで中立的な政策金利に近づけるのか。現在の金利水準では市場は緩和水準であり緩和的でありインフレも進みやすい状況にある。FOMCで50bpの利上げが行われても、まだまだ引き締めが足りないためインフレの抑制にはならないだろう。この内容の発言をパウエル議長が行う可能性がある。

一方で中立的な政策金利に引き上げるまで経済は大丈夫ではないかという意見もでてきている。2.5%〜3%まで引き上げるとなると経済へ影響を与える度合いは強くなるが、足元の経済指標はまだ悪化していない。

この後の会合でも50bpずつ利上げを行うと9月には中立金利を達成することができる。75bpであれば7月に中立金利は達成できるが経済への影響が大きくなるため慎重な意見もある。

バランスシートの縮小は市場から資金がなくなることを意味しているため、利上げよりも市場への影響は大きいと考えてよいだろう。

原油

昨日の原油の下落は中国のロックダウンの影響だろう。中国の経済は上海のロックダウンで大きく後退しているとみてよいだろう。北京までこの影響が広がれば5月も悪くなる可能性がある。世界2位の経済大国だが、どこまで需要減の影響があるかはよくわからない。直近の下落は中国の景気後退懸念を織り込んでいるのだろう。

一方で米国は完全にアフターコロナになっており、コロナショック前の生活が戻りつつある。経済の足かせになることはないと考えてよいのではないか。2年前には世界的にロックダウンが進んでガソリン需要が半減しWTI原油がマイナスになっていた。中国はロックダウンしているといえ、2年前の状態になることはないだろう。

ロシアの生産はどこまで落ち込むのか。需要が2〜300万バレル落ち込んでもロシアの生産が3〜400万バレル低下すれば需給は逼迫することになる。ロシアの生産が実際にどの程度下がるのかは市場の方向性を決める重要な指標になるだろう。

衛星画像ではロシアの油田であまった油を燃やす量が明らかに減っており、原油生産量が低下している分析も出てきている。IEAは300万バレル低下するとみており、OPECは700万バレル低下するとしている。700万バレルの低下は中国の需要の減少があってもさらに需給は逼迫することになるはずだ。

ここでロシア産の原油の禁輸することは難しいのかもしれない。経済制裁のためにはロシアから原油を輸入してはならないが、ロシアに対して厳しい措置をとるには身を削りながらこれを行うしかないだろう。米国はロシアへの制裁を強化したいだろうから、EUへの援助は積極的に行うだろう。フランスではマクロンが再選したことでロシアと対話をしつつ制裁を強化する可能性も出てきた。今後、EUがロシア産原油と天然ガスについてどのように対応するのかに注目だ。

穀物市場

穀物は需給見通しに関連する。小麦とコーンはウクライナとロシアに影響する。この2つの国から輸出が減ると上昇基調は続くのではないか。大豆はコーンの肥料価格高騰の影響で作付けが増えると見られている。そのため売り材料も多い。しかし商品全体が上がるときに同じように上がるだろう。原油があがると植物油の価格も上がり、大豆油の価格が上がり、大豆の価格が上がる。そのため必ずしも弱気となるわけではないが、中国の動向にも左右される。中国がロックダウンしている影響で不透明になっているが、現在は在庫を積み増ししている状況だ。しかし米中関係の悪化で在庫がだぶつくシナリオも考えられる。小麦はウクライナの生産が期待できず、ロシアの経済制裁で輸出が期待できない。禁輸まではいかなくともswiftからロシアの大手銀行を排除するとなればロシアからの輸出は止まってしまう。米は干ばつで生産量が低下する懸念がでてきている。

ウクライナは輸出用の在庫はたくさん抱えているが、輸送用のインフラがロシアの攻撃によって破壊され輸出はできない状況だ。戦果に見舞われておらず農業を営んでいた人が兵士として戦うケースもでてきているようだ。

米の輸出コーンは遺伝子組み換えのためEUはほとんど輸入をしていなかった。しかしイタリアが輸入しはじめた形跡がある。これはウクライナからのコーンが輸出されていない、もしくは期待できない状況を表しているのだろう。コーンは肥料価格の高騰で作付けする農家が減る見通しであり、コーンの作付けを行っている地域で寒さに見舞われている。そのため作付けが遅れ、将来的に作柄の悪化につながることが予想される。

どちらかというと供給不安の要素のほうが多い印象だ。

為替

まず米国株が調整するとドル安が始まるだろう。まず金利の上昇がとまり、米国株の調整が進んだ後にドル安が進むはずだ。金融政策でそれだけのペースで利上げを行うのかがはっきりさせる必要がある。どこかで金利の上昇はとまり、景気が減速が見られるはずだ。それがどのタイミングになるのかが重要だ。