9214リカバリーインターナショナルの個別銘柄分析とレビュー

日本株

こんな悩みはありませんか?

  • リカバリーインターナショナルの今後はどうなの?
  • 決算があったけど順調?
  • どのようなビジネスモデルなのか?
  • 財務状況は?

本記事を最後まで読めば9214リカバリーインターナショナルについて理解が深まります。最後まで御覧ください。

9214リカバリーインターナショナルとは?

リカバリーインターナショナル(以下RI)とは、2022年2月に上場した東証グロースの銘柄です。

  • 設立年:2013年11月
  • 上場年:2022年2月
  • 業種分類:サービス業
  • 決算:12月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://www.recovery-group.co.jp/

RIのビジネスモデルは訪問看護とドミナント展開

RIは看護師やリバビリ師による訪問看護サービスに特化している会社で、出店の形体を1拠点11人体制とし、ドミナント展開を図っています。

ドミナントとは、ある地域内において集中的に出店をし市場占有率を向上させて独占状況を目指す手法です。コンビニやドラッグストアは一定の距離内で多く見かけることが多いですが、これらはドミナントの一例と言えるでしょう。

ドミナント展開を行うことで、以下のメリットがあります。

ドミナント展開をするメリット
  • 消費者のニーズに合わせられる
  • 人材配置の融通がきく
  • 地域の特性データが得られる
  • 出店計画の効率化
  • 競合の出店意欲を抑えられる
  • 効率的な在庫管理。。。etc

かんたんに言うと、ドラッグストアのコスモスやウェルシアのように店舗を増やすことで売上を伸ばすことができます。出店をしつつ、どのように人材を確保し教育を行い、経営の効率化を図れるかがポイントでしょう。

拠点新設計画

「2022年2月_事業計画及び成長可能性に関する事項」より

2022年12月期3Qの拠点数は18拠点でした。そのため以前に開示された事業計画どおりに出店するなら来期末までに8拠点を開設することになります。

売上を伸ばすなら、出店費用と配置する人材の採用費と教育が必要になるので販管費と売上の推移に中止するべきでしょう。

KPIとその推移

RIのビジネスモデルは以下のように分解できます。

  • 店舗数 × 1店舗あたりの売上
  • 訪問件数 × 訪問1件あたりの単価

RIの資料をみていると「訪問件数 × 訪問1件あたりの単価」が開示されています。

2022_3Q決算説明資料より

資料に書かれている通り、訪問看護人員は2Qに増える傾向にあります。しかし訪問看護人員数の伸びと比較して延べ訪問件数は伸びていないようにみえます。そこで更に深堀りしてみます。

訪問看護1人あたりの訪問件数

訪問看護人数を訪問件数で割ると、訪問看護1人あたりの訪問件数がでてきます。この数字にはまだ戦力になっていない人材も含まれています。

RIのIR資料より筆者作成

RIの訪問看護1人あたりの訪問件数には季節性があることが確認できます。具体的には、2Qで新規に入社するため一人あたりの訪問件数が落ち込み、それが戦力化されると考えられる3Q、4Qに1人あたりの訪問件数が伸びるというものです。

20年12月期と21年12月期では2Qで大幅に訪問件数が減少したものの、3Q、4QではV字回復しています。ところが直近の22年12月期ではV字回復の角度が小さくなっているのが確認できます。

上記のグラフについては後ほど再登場します。

この気になった部分はアレコレ考え仮説を立て、IRに問い合わせをしましょう。

RIが開示しているKPIが今期の途中で変更されているため、比較するときは同じグラフの数値を利用するようにします。

2022_3Q決算説明資料より

上記をみると訪問1件当たりの単価にはほとんど変化がありません。KPIとして1件あたりの単価は追っていく必要はあります。ここをさらに分解してもよいですが、今回は分解しません。

ここまでビジネスモデルとKPIについて確認しました。ここからは売上や営業利益の推移についてみていきます。

RIの損益計算書、売上高と営業利益の推移

2022年_3Q決算説明資料より

売上のトップラインは右肩あがりです。しかし22年12月期3Qと21年12月期3Qを比較すると、売上の伸びに対して営業利益が伸びていませんし前年比割れしています。この原因は何でしょうか?

営業利益が伸びていない原因は決算説明資料や決算短信に記載されています。

2022年_3Q決算説明資料より

既存拠点と新規拠点の売上高の増加を、人材採用費と人件費の上昇が、上回っていました。上記のグラフを見て気になることはありませんか?私は次のことが気になりました。

売上原価の既存拠点人件費増加新規拠点人件費増加販管費の人件費増加の違い

たかが1600万ですがされど1600万です。販管費に含まれる人件費のため、なんらかの採用関係の費用と仮説をたてることができますが、気になる部分はIRに問い合わせをしましょう。

売上原価率と販管費率

売上原価や販管費について分析するときに、重要なのが売上高に対する比率です。売上原価は原価率、販管費は販管費率などといわれています。数字だけでみるとイマイチよくわからないこともありますが、以下のようにグラフにすることで直感的に把握することができます。

上記の画像で見ていただきたいのは黄色の部分です。このように時系列順で売上に対する原価率や販管費率を数字で把握し、さらにグラフで視覚化してくれています。このようなデータが無料で観閲できると投資の分析がやりやすくなると思いませんか?

このサービスはマネックス証券 が提供しています。

簡単に説明しますと、マネックス証券 には、売上高に対する売上原価や販管費などをグラフ化してくれる銘柄スカウターというサービスがあります。非常にわかりやすいグラフで、マネックス証券の口座を持っている人は無料で使うことができます。私も個別銘柄を分析するときは、必ず使用するツールです。まだマネックス証券の口座を開設していない人は口座を開設してみましょう。日本株投資において、非常に役に立ってくれます。口座を開設するだけなら無料です。

>>マネックス証券 の口座開設はこちらから

RIは2022年2月に上場した企業のため、マネックス証券の銘柄スカウターには2021年12月期4Qからのデータしかありません。しかしRIのIR資料を確認するとそれ以前のデータが開示されています。このように情報収集をすることで、銘柄分析に役立てることができます。

ここまで売上高と営業利益の推移と分析に役立つツールについて紹介しました。ここからは資料を詳しく読まないと発見できないデータについて解説をしていきます。

発見できないデータとは、RIが上場する前のデータです。こちらはマネックス証券の銘柄スカウターのようなサービスでグラフ化されていないことも多く、今回はpythonを使って独自ツールを作成し、分析を行いました。

RIのIR資料より筆者作成

上記は売上に対する販管費率を時系列順にグラフ化したものです。これを眺めると、21年3Qよりも22年3Qは販管費が上昇していることが確認できます。21年3Qは約22%なのに対し、22年3Qは約25%と3%も上昇しています。3%は大したことがないように見えますが、3%違うと営業利益は大きく変化します。

一方の原価率の推移は下記になります。

RIのIR資料より筆者作成

原価率は21年3Qの約55%から22年3Qでは約60%と5%上昇しています。販管費率は3%の上昇でしたので、売上総利益率は約8%低下していることになります。

RIは売上原価に人件費を計上しているため、単純に新規採用と拠点開設により、売上総利益率が低下しているといえます。

ここまで売上原価率と販管費率の上昇により、RIの収益性が悪化していることが確認できました。ではこの収益性の悪化は今後の業績にどのような影響を及ぼすのでしょうか?ここからは資料から導き出した数値と事実を元に仮説をたて、投資に値するか判断を行います。

Recovery Internationalの収益性の悪化は何を意味している?

これまで述べたように、RIの収益性が悪化している原因は原価率の上昇と販管費率の上昇です。IPO時に開示された中期計画の資料よりも拠点の展開スピードは遅いですが、人の採用は計画を上回っています。現時点では人の採用を増やした結果、戦力化に時間がかかっていると言えるのではないでしょうか?

売上のトップラインはしっかりと伸びていますし、RIは労働集約型産業のため、訪問看護人員を増やす、もしくは訪問件数を増やす、もしくは双方を増やすことにより売上を伸ばすことができます。

しかし21年2Qと22年2Qで訪問看護人員1人あたりの訪問件数が伸びていないことには大きな違和感を感じますが、21年1Qと22年1Qを比較すると一人あたりの訪問件数は増えています。

現時点では、訪問件数の伸びは鈍化しているものの、手仕舞いするほどでもないといった微妙なところでしょうか?投資を行っている人はじっくりと成長を待つことが必要ですね。