ブランディングとは簡単に言うと下記です。
商品を売りたいのであれば商品を売るな
付加価値を伝えたり、体験させること
ブランディングがしっかりしていないと、どんなにしっかりしたサービスでもどんなに優秀な商品でも売れません。
髪を切るサービスでも5,000円の美容室から1,000円カットのQBハウスまでたくさんあります。髪をきるだけならQBハウスの1,000円カットでも良いと思いませんか?しかし4,000円余分に払ってでも5,000円の美容室に行くのはなぜでしょうか。
そこに4,000円払う価値があると思われているからです。
本記事では4,000円の価値をどのように生み出すのか解説していきます。
ブランディングとは何か?
まず初めにマーケティング、アドバタイズメント、PRとブランディングの違いを男女の例で把握しておきましょう。
この例でいうとあなたが好きと相手に言われて来てもらうことがブランディングです。これをビジネスに置き換えると相手(お客さん)からきてくれるのでコストを抑えることができます。
ビジネスにおける4つのブランディング
ビジネスのブランディングは4つに別れます。
ブランディングはこのように4つに分けられます。
ブランディングがないとどうなるのか
次にブランディングがないと、どういう負のスパイラルに陥るのか見ていきましょう。
企業はどんどん倒産が続いています。特に本記事を書いている2020年4月現在ではコロナウイルスの影響でサービス業を中心に非常に厳しい状態が続いています。
話を元にもどすと5年以上続いている事業はブランディングが上手くいっていることが多いです。ブランディングがないとA,Bも同じ商品になってしまいます。

上記の図を見てください。例えば高知産のトマトの価格競争を近隣のスーパー同士でやっているとします。ブランディングがなく同じ商品であればまず価格競争が起こります。
利益が出ないラインまで達すると次はサービス競争が起こります。サービス競争とは、トマト売り場のそばでレシピを配る、レシピのカタログ、○個まとめ買いすると割引、○円以上購入で家に宅配、こういったサービスです。
これは消費者からすると非常にありがたいですが、スーパー側からすると自社コストが増えていく状態です。
サービスもコストが必要以上にかかるので利益率が低下していきます。
利益が低下すると、もっとコストを削減して利益を出そうとします。そこで広告宣伝費を下げて利益率を改善しようとします。
広告宣伝費を下げると知らない人が増えてくるのでさらに売上が減ります。売上が下がると売るために価格を下げる必要が出てきます。
このように負のスパイラルが永遠に続きます。

コーポレートブランディングについて
ブランディングにおいて競合調査はもちろん大切です。しかし競合は絶対に作ってはいけません。なぜなら結局は価格競争になるからです。
コーポレートブランディングとは下記です。
○○だが○○ではないと明確に断言すること。
例えば専門店や特化型はスタートアップには行いやすいブランディングの1つです。なぜなら特化することでコストを抑えることができるからです。
このようなコーポレートブランディングは、ブランディングができている企業はしっかり使っています。
例えばgoogleは広告会社だが広告会社ではないと明言をしています。googleの売上の90%は広告です。しかしgoogle自身が広告会社といってしまうとTVやチラシ、看板などと同列の競争になってしまうからです。
実際に我々からみてもgoogleは広告会社よりはIT企業のイメージがありますよね。
価格設定の基本
ここからは価格設定の基本について解説します。事業で大切なのは売上をいくら計上したのかではなく、利益をいくら残したのかです。
唐揚げの価格設定の例
あなたは居酒屋で唐揚げの販売をしようと考えています。市場調査を行ったところ、次の3点が判明しました。
あなたは唐揚げをいくらで販売するべきでしょうか。

価格設定は何の事業をやるのにも必要です。市場調査を行っても全員が買う金額に価格設定をしがちです。しかし事業で大切なのは利益を残すことです。
あなたの商品は全員に売る必要はありません。なぜなら全員に売ろうとすると相応のコストがかかるため事業がなりたたないからです。

この唐揚げの例だと750円で販売したときが一番利益を確保できます。いくらで販売した時に一番利益を残せるのかを考えましょう。
上記のグラフからは750円での販売はまずやってみること、1,000円以上での販売は挑戦するべき分野ということです。
このように切り捨てる部分と実践するところ、挑戦するところを明確にしましょう。
500円だと全員が購入してくれる商品を1,000円で販売する場合、500円分の付加価値をつけなければなりません。

世間の相場には価値はありません。今回の唐揚げは750円で販売を行うので250円分の価値をつけなければなりません。
この250円分の付加価値を伝えたり、体験させることがブランディングです。
ブランディングとは付加価値を伝えたり、体験させること。
例えば唐揚げの付加価値を伝えるにはどうすればいいでしょうか。
材料である鳥や油、揚げ方などに工夫をする、変わった食べ方で提供するなどが挙げられます。
他にはよくある唐揚げではなく、アニメのキャラクターが食べているような唐揚げや手羽の1本あげ、唐揚げを使った鍋料理なども世間一般の唐揚げとは違ったものを体験してもらえますよね。
相場以上の値段をつけるならその商品を売るのではなく付加価値を伝えたり体験してもらわなければならないということです。
星乃珈琲店とマクドナルドのコーヒー

もう少しブランディングと付加価値について解説します。付加価値を付けてブランディングをするためにはそれの根拠が必要です。
マクドナルドの100円コーヒーと星乃珈琲店の500円のコーヒーがあるとします。なぜ星乃珈琲店のコーヒーは500円でもお店が潰れないのでしょうか?
美容室の例と同じですが、単純にコーヒーを飲むだけなら100円のマクドナルドを選ぶはずですよね。
結論から言うと星乃珈琲店は1杯ずつ丁寧に淹れたハンドドリップコーヒーとスフレパンケーキでゆっくりした時間をすごしてもらうことをコンセプトにしています。この価値をお客さんに伝えて体験してもらっているからこそ、この金額設定が成り立っているのです。
一方マクドナルドは少しでも回転数や客数を増やすために席同士が近く、店内もざわついています。また曜日や時間によっては全く落ち着かないケースもあるでしょう。しかしマクドナルドはどこも真似できないほどのしっかりした仕組みが構築されているので補うことができているのです。
ブランディングを作るためにはこういう価値付けの根拠となるものが大切です。
他の例をみていきましょう。
群馬のこんにゃくパークの工場見学
株式会社 ヨコオデイリーフーズは群馬県でこんにゃくパークを開いています。こんにゃくパークとは工場のそばにあり、タダでこんにゃくが食べ放題です。
タダで食べてもらうことが目的ではなく、工場にきてもらい、こんにゃくを知ってもらい、お土産で購入してもらうことが目的なのです。
ヤマハの音楽教室
ヤマハは音楽教室をひらいています。もちろんヤマハはピアノを売りたいのですが、ピアノは1つ300万以上します。高いものだと1000万を超えますよね。これでは誰も買いません。そこで音楽教室を開催し、音楽を広めることを長年行っています。
ABCクッキング
ABCクッキングもキッチン用品を買ってもらうために料理教室をひらいています。無料の体験も行っています。またクッキング教室の参加者は実際に料理教室で使用したキッチン用品を割引価格で購入することができます。
このように商品を売りたければ商品をPRしてはなりません。
価格を上げる付加価値にはどんな付加価値があるのか
ブランディングで価格を上げる付加価値には次の3つがあります。
空間付加価値
商品付加価値
サービス付加価値
順番にみていきましょう。
空間付加価値
空間や店内の雰囲気で付加価値を上げること
きれいな白で整えられた空間や明るい照明、洒落た小物をおいた空間は見ていて楽しいですよね。こういった空間や雰囲気で付加価値をつけるのが空間付加価値です。
商品付加価値
サービスに使用しているモノや材料にこだわる
先程の唐揚げの例だと鳥にこだわる部分がこの商品付加価値にあてはまります。例えば薩摩地鶏を使った唐揚げや鹿児島直送の鳥刺しなどは付加価値がつきますね。
しかしいい材料を使用するとコストも上がってしまいます。
サービス付加価値
どれだけお客さんをワクワクさせるのか
別名エンターテイメント付加価値ともいいます。この3つのなかでは唯一低コストでできるものです。演出や継続できるサービスが大切です。例えば美容院であればそのお客さんの好きなアロマの香りを漂わせたり、家族向けのサービス業であれば子供が喜ぶものを用意するなどがあります。
まとめ
これらの付加価値を伝えたり、体験してもらうことがブランディングです。事業をする際は価格勝負ではなく付加価値をつけてブランディングを行っていきましょう。