配当目的で高配当株を選ぶとき、どの銘柄を選べば良いのか悩んでいませんか?実はこの記事で紹介する「日本エスコン(8892)」は減配のリスクが低い高配当銘柄の1つです。
なぜなら累進配当政策をとっているからです。累進配当政策とは下記です。
1株あたりの配当額について減配なし、配当維持もしくは増配のみ
購入する株を選ぶ際、高配当な株式は魅力的な選択肢の1つです。しかし、業績の悪化による減配のリスクがあります。
しかし対外的に累進配当政策をとっている企業は非常に減配のリスクが低くなります。なぜなら発表だけでなく対外的に宣言をしているからです。
この記事では日本エスコンがどのような会社でどのような事業を行っているのか、個別銘柄分析をしていきます。
日本エスコンとは?
日本エスコンとは総合不動産事業を行っている会社です。中部電力が30%程度株式を保有する筆頭株主です。J-REITのエスコンジャパンリート投資法人(2971)の資産運用会社です。
関西地区、東京都市部の分譲マンション、戸建て、商業施設やホテルの開発など様々な不動産を扱っています。
四季報情報

3月時点では業績は最高益水準で最高益が続き、非常に好調なようです。1人あたりの総純利益が8,447万円ある非常に生産性の高い会社です。
ちなみにキーエンスの一人あたりの総純利益が6,000万のことを考えると非常に高水準です。
日本エスコンの直近の動向
直近では4月28日に第1四半期の決算を迎えています。

コロナショックで他の企業がダメージを受けている中、狂った数字素晴らしい業績を上げています。
2020年12月期から2022年12月期までの3年を第3次中期経営計画「IDEAL to REAL 2022」と定め、多面的に事業の展開を行っています。
この多面的な事業展開と収益不動産の販売、分譲マンションの販売が順調に推移した結果ですね。関西圏(大阪、兵庫)の分譲マンションは竣工完売や契約完売をしています。
通期業績推移

阿倍政権に交代してからは業績は順調に伸びています。
セグメント業績
セグメント業績をみていきましょう。
セグメント四半期業績


このように不動産販売事業が大きく数字を伸ばしています。不動産の販売が好決算につながったようです。
セグメント四半期 前期比


不動産賃貸が微増な一方、高収益の不動産販売が前期比123.4%を叩き出しています。不動産企画仲介コンサルについては昨年後半から高い成長率を保っています。
株価の推移

好決算をうけて4月末に暴騰しています。3月末の底値からTOPIXと比較してようやく同程度回復しています。したがって暴騰はしましたが、仕込み時かもしれません。
年間配当歴と配当利回りについて

事業の成長とともに配当額と配当利回りも大きく伸びています。前述のようにコロナショック前の最高値から30%程度下落しているので予想配当利回りも5%を超えています。
配当性向

配当性向は30%程度とまだ余力があります。
累進配当政策
配当性向30%
直近の最高値から30%程度下落
予想配当利回り5.48%
このように好条件が揃っています。
中期経営計画について
中期経営計画として事業の多角化
ストック収益の確保と安定化
中電グループとのシナジー効果
エスコンジャパンリート投資法人の成長
上記4つを上げています。他にはESG推進や株主への還元が挙げられます。
不動産販売事業

日本エスコンは関東、関西に元々地盤があります。中部電力と資本提携を行ったことで中部に進出するきっかけをつくり、2021年に高収益が期待できる分譲マンション供給を開始する予定です。
商業開発とホテル事業についてはコロナショックによる停滞が予想されます。しかしコロナショックが収束するものと仮定すると、今後インバウンド事業による活性化が見込まれます。
また物流事業を新ブランドを立ち上げ、次のコア事業候補として昨年から取り組んでいます。コロナショックで物流施設の需要が高まっているので、期待のできる分野ではあります。少し遅い気もしますが
不動産賃貸事業はストック収益を確保できます。現在は不動産事業のセグメント利益が20%を下回っています。不動産事業のセグメント利益が2022年12月期には23%になるよう目標を掲げています。

ESG推進と北海道への進出
関東、関西に地盤をもち、中電グループと組むことにより中部地方へも進出しています。事業の拡大としてはまだ弱いしていない地域がありますが、ESG推進と絡めて北海道に注力する可能性があります。

具体的には下記です。
北海道日本ハムファイターズの新球場ネーミングライツの獲得
事業パートナーとしてボールパークエリア内での開発事業件
北海道への進出は中期経営計画には書かれていませんが、明らかに北海道注力への狙いがみえます。間違ってたらごめんなさい
配当政策
中期経営計画での配当政策です。

このように累進配当政策を宣言しています。
流動比率と当座比率
流動比率 227.37%
当座比率 60.33%
不動産事業を行っているので当座比率は低めです。流動比率は200%以上と問題ないでしょう。
リスクについて
自己資本比率の低さと有利子負債の高さ
自己資本比率 25.28%
有利子負債自己資本比率 253.34%
日本エスコンは不動産事業の用地取得や建設費用として金融機関から借入して資金調達を行っています。今のところ問題は表面化していません。
金利の上昇や資金調達が厳しくなった場合、経営状態には時間差で表面化すると考えられます。なぜなら不動産販売事業は用地取得から売却まで時間差があるからです。
しかし財務面には資金調達が厳しくなった傾向が顕著にあらわれるはずなので注意しなければなりません。
また景気や不動産価格の下落などの影響を受けやすい収益構造に注意が必要です。
キャッシュフロー推移

企業のお財布事情を図るキャッシュフローです。売上高は伸びているのに営業CFがマイナスなっています。なぜなら日本エスコンは不動産事業がメインだからです。不動産事業は土地の調達から引き渡しまでかなり時間がかかります。したがってこのような歪な営業CFになります。
しかし財務CFがプラスになっているのは借入を続けていることを意味します。これが有利子負債の原因でしょう。
借金をして財布のお金を増やしているのがこのグラフから読み取れますね。
この分析はこちらの証券会社を使っています。
まとめ
日本エスコンは増収増益、高配当利回り、配当性向30%程度と高配当銘柄の1つとして投資対象になりうる銘柄です。また累進配当政策を宣言しており、減配のリスクは低めでしょう。
今年の初めに主力の不動産売買が集中した結果、今期の予算を75%達成しています。しかし通期の見通しは据え置きました。これは今後、コロナショックの影響が業績にでてくることを意味していると考えれます。
あなたの人生の参考になれば幸いです。