いつも投資を行う際にどういったポートフォリオがいいのか悩んでいませんか。実はこの記事で紹介する「レイ・ダリオのオールウェザーポートフォリオ」を実践すると今回のような暴落時でもダメージを抑えることができます。
なぜなら私が実際に100万円を用意しレイ・ダリオ氏のポートフォリオを少し改良したものを参考に10ヶ月運用した結果、含み益が出ているからです。最近まで100万でポートフォリオを組んでいたのを忘れていました。
この記事ではレイ・ダリオのオールウェザー型ポートフォリオの運用成績とどういった金融商品を購入すればいいのか解説していきます。
この記事を読み終え、この通りにポートフォリオを組むと株価暴落時にもある程度対応できる運用が可能です。
まず結論からいうとこの記事を書いている2020年4月28日現在10ヶ月運用で約+12%の含み益がでていました。また分配金を考慮すると約13%のリターンになります。ドルで計算しているので為替レートや手数料は考慮していません。

赤枠の5つがオールウェザー型で購入するETFです。これを見るとレイ・ダリオ氏が世界最高クラスのヘッジファンドを立ち上げ、運用してきた経験から考えられる簡単に運用できるポートフォリオを我々のような一般投資家に伝授してくれたのがよく分かりますね。
レイ・ダリオとは
簡単にレイ・ダリオについて紹介します。
世界最大のヘッジファンドであるブリッジ・ウォーター・アソシエイツを設立した人です。ウォーレン・バフェットを超えてるとの評価もありますね。
個人的にどっちになりたいかと言われたらバフェットです。なぜなら金持ちだからです。
「最小のリスクで最大の利回りを目指す」とし、どのような地合いでも安定した成績を出せるオールウェザー型のポートフォリオで有名です。
レイ・ダリオが推奨するオールウェザー型のポートフォリオとは?

上記がオールウェザー型のポートフォリオです。
株式 | 30% |
中期米国債 | 15% |
長期米国債 | 40% |
金 | 7.5% |
商品先物取引関連 | 7.5% |
私が行ったポートフォリオと比較について

上記が今回行ったポートフォリオです。
オールウェザー型ポートフォリオ(Portfolia1)、今回使用したポートフォリオ(Portfolia2)、VOOを比較したグラフが下記です。

株は暴落しますが回復も早いですね。一方レイ・ダリオ型は常に安定しています。
Porfolio1 | オールウェザー型ポートフォリオ |
Porfolio2 | 今回投資したポートフォリオ |
Porfolio3 | 改良したポートフォリオ |

並べるとあんまり変わりませんね。。。特にトータルのリターンが。
株式100%のポートフォリオで組んでいると暴落時に精神衛生上よろしくなさそうですが、レイ・ダリオ型は暴落時でも精神安定を保てそうです。
ちなみに最もリターンが大きかったポートフォリオ3は下記の配分です。

オールウェザー型のポートフォリオにするにはどの商品を買えば良いのか
テクノロジーの進歩はすごいもので、現在はカチカチすればすべてETFで購入できます。
株式(S&P500連動型):IVV,VOO,SPYなど
中期米国債:IEF
長期米国債:TLT、VGLT、SPTL
商品先物:DBCなど
金:GLD、IAUなど
記号見てもよくわかりませんよね。私もこの記事を書くまでIAUやVGLTなんて知りませんでした。それぞれ順番に解説していきます。
株はどのETFを変えばいい?
株は正直どれでもいい気がします。ぶっちゃけ好みです。
私は米国でもっとも使われている指数のS&P500連動型にしました。なぜなら米国債の価格は米国株式の価格にある程度連動しているからです。
S&P500連動型は日本の投資信託でも買えますが、米国ETFを選んだほうがいいかもしれません。なぜなら後述する他の商品はすべて米国ETFであり、配当金はドルで分配されるからです。
slimS&P500やSBI S&P500もいい商品だと考えますが再投資を行うことや、他の商品を米国ETFで購入することを考えるとすべて米国ETFで揃えたほうがいいかもしれません。
なぜなら為替手数料がかかってくるからです。
オールウェザー型ポートフォリオに最適な米国債ETFはどれだ?
注意点としてレイ・ダリオ氏のさす中期米国債とは「7年〜10年までの中期米国国債」、長期米国債とは「20年〜25年までの長期米国債」だということです。
米国債に連動するETFではたくさんありますが、わかりにくいですよね。そこで連動を目指すインデックスを簡単に比較してみます。
EDV・・・BloomBarc US Trsy Strips 20-30Yrインデックスに連動
VGIT・・・BloomBarc US Treasury 3-10 Yearインデックスに連動
VGLT・・・BloomBarc US Long Treasury インデックスに連動
SPTL・・・BloomBarc US Long Treasury インデックスに連動
IEF・・・ICE米国国債7-10年インデックスに連動
TLT・・・ICE米国国債20年超インデックスに連動
ヴァンガードとiシェアーズで連動を目指す指数が異なっています。レイ・ダリオのポートフォリオに近づけるにはiシェアーズのほうが好ましいですが、ヴァンガードを好む人が多いと考えます。
なぜならヴァンガードの商品のほうが経費率が安いからです。SPDR、iシェアーズ、ヴァンガード、それぞれの経費率は下記です。
株 | 中期米国債(7−10年) | 長期米国債(20−25年) | |
SPDR | SPY 0.09% | 該当なし | SPTL 0.06% |
iシェアーズ | IVV 0.04% | IEF 0.15% | TLT 0.15% |
ヴァンガード | VOO0.03% | 該当なし | VGLT 0.05% |
迷ったらVOO,IEF,VGLTにしましょう。単純に経費率が安いからです。
長期米国債ETFの比較
結論からいうと長期米国債はSPTL,TLT,VGLTのどれを選んでもほとんど差がありません。「ほとんどの部分」の解釈は人によって異なるかと思います。
TLT、EDV、VGLTのパフォーマンス比較

この表からTLTはVGLTで代替できるということです。なぜならTLTとVGLTは連動する指数がちがいますが、かなり近い動きをしているからです。
経費率を考慮してもTLTとVGLTはほとんど差がありません。この数%の差をどうみるかは人によってちがいますね。
一方で米政策金利低下のため残存期間が最も長いEDVの価格が上昇しています。
TLT,EDV,VGLTの5年パフォーマンスの比較

ちなみに5年のパフォーマンスで比較するとEDVがTLTやVGLTを下回ってた時期もあります。この表からはEDVはTLTの代替にはならないということです。
TLT、EDV、VGLT、SPTLの1年パフォーマンスの比較

SPTLを追加してみました。TLTのほうが若干パフォーマンスは上回っていますが経費率を考えると代替できるでしょう。
以上のことからTLT、VGLT、SPTLであればどれでも問題ないと考えます。
中期米国債ETFの比較
結論からいうと7−10年のみに連動する中期米国債ETFがIEFしかなくIEF一択になります。他にも7−10年までの中期米国債に連動するETFがあれば教えていただけると幸いです。
IEFとVGITのパフォーマンス比較

VGITは商品名がバンガード・米国中期国債ETFです。前述したように連動する指数が3−10年までの中期米国債なのでレイ・ダリオ氏の推奨する7−10年までの中期米国債とは異なった動きをします。
以上のことから中期米国債はIEF一択になります。
商品先物ETF/ETNの比較

DBC | 0.89% |
GSG | 0.75% |
DJP | 0.70% |
ここではDBC,GSG,DJPを比較しました。原油価格の暴落に伴い、WTI原油の割合が最も大きいGSGが最も悪いパフォーマンスでした。どれを選ぶかは好みですが、DJPはポートフォリオの12%を金が占めており、直近では最も高いパフォーマンスを出しています。
しかし商品先物ETF/ETNのここ数年のパフォーマンスは非常に悪いです。
3ヶ月リターン | 3年リターン | 5年リターン | |
DBC | -29.20% | -10.02% | -9.69% |
GSG | -29.37% | -10.71% | -9.40% |
DJP | -25.53% | -11.58% | -11.26% |
レイ・ダリオ氏のポートフォリオでは金7.5%、商品先物7.5%で投資を行います。しかし、購入する際に金10%、商品先物5%でポートフォリオを組みました。
なぜなら近年の商品先物ETFのパフォーマンスの低さを知っていたからです。商品先物は経済成長時やインフレ時に大きな強さを発揮するといわれています。
しかしそれを考慮しても、ひどいパフォーマンスでしたのでレイ・ダリオ氏のポートフォリオにアレンジを付け加えたわけです。
ちなみに今回はDBCを購入していました。
金ETFはどれがいい?

レイ・ダリオ氏は金に関して現物投資を推奨しています。しかし金を買うのは面倒現実的ではないので少々経費率が高いですが金ETFの購入がいいですね。
GLD | 0.40% |
IAU | 0.25% |
GLDはSPDRの商品で、IAUはiシェアーズの商品です。画像のようにこの2つのETFにはほどんど差がありません。経費率からはIAUに軍配が上がります。
他には三井住友TAM-SMTがありますがオススメをしません。なぜなら他の商品をドル建て購入を推奨していますし、流動率が低いからです。
リバランスについて
リバランスは必須です。リバランスとは金融商品の価格の変動で金額に対する割合が変わった時に、最初に組んだバランスに戻すことです。私がこのポートフォリオで1回もリバランスをしていないことは内緒です。
例えばリバランスを行う際、売ることをせずに追加投資でリバランスできれば税金や手数料面で得ですね。なぜなら売却すると米国と日本に2重に税金がかかる上、証券会社に売買手数料を払わなければならないからです。
したがって可能な限り売ることはせずに買いでポートフォリオをリバランスすることをオススメします。このやり方はお金が必要なのは内緒です。
現在のような米国債の価格が上昇している場合だとVOOやIVVを安く購入することができます。
まとめ
オールウェザー型ポートフォリオと組む際のオススメETF

レイ・ダリオ改ポートフォリオ
US Stock Market・・・株 30%
Intermediate Term Treasury・・・中期米国債 15%
Ling Term Treasury・・・長期米国債 40%
Gold・・・金 10%
Commodities・・・商品先物 5%
オススメETF
株式投資の楽しみの1つに毎日の株価をみてニヤニヤすることが挙げられます。オールウェザー型ポートフォリオはローリスク、ミドルリターンといえるパフォーマンスを叩き出してくれますが、毎日ニヤニヤできません。
これは個人投資家にとって死活問題です。なぜなら投資を始める以前のように刺激のない日々を過ごすことになるからです。
これだけ情報が溢れている世界でレイ・ダリオ氏のポートフォリオで運用している人がSNS上であまりいないのはこういった側面もあると考えます。私が無知で知らないだけかもしれません。
レイ・ダリオ氏の米国債に多めに投資するポートフォリオを批判する記事が3月頃に上がっていました。
しかし今のところ本記事で紹介するポートフォリオは含み益が10%以上でているのでレイ・ダリオ氏のポートフォリオは素晴らしいと結論付けられます。
安定を求める投資家にとってはインデックス投資と並んで最良の選択肢になるはずです。あらかじめ危険を察知して現金の比率を増やし、リスク資産の比率を減らすことができればいいのですが、非常に難しいですよね。
とりあえずこのポートフォリオはこのままにして様子を見たいと思います。
あなたの人生の参考になれば幸いです。
最後に米国株が買えるオススメの証券会社を紹介します。VOOやIVVはこの3つの証券会社なら無料で購入できるのでオススメです。